不登校の中学生が治るまで【学校復帰までのステップ・兆候・注意点を詳しく解説します】

こんにちは!家庭教師のアーチ、代表の白岩です。

今回は「不登校の中学生が治るまで」をテーマにお話ししていこうと思います。

今回のテーマ
不登校の中学生が治るまで

このページをご覧になっている保護者さまは、中学生のお子さまが不登校になっている状態で、

うちの子の不登校は治るのかしら…

このような不安を抱えながら日々過ごされているのではないでしょうか?

今回は不登校中学生の学校復帰までの流れや兆候不登校が治るまでに親が出来ることなどをまとめてみました。

中学生のお子さまの学校復帰を目指されている保護者さまの助けになれれば嬉しいです。 

▼もくじ

不登校は病気?

中学生が不登校になることは病気というよりはむしろ心理的、社会的な要因によって引き起こされる現象と考えられています。

不登校は、学校に行くことが困難であると感じる子どもたちが、さまざまな理由で学校への出席を拒否する状況を指します。

いじめ、学業のプレッシャー、家庭の問題、不安障害、うつ病などが中学生が不登校になる原因として挙げられます。

中学生が不登校になることは病気ではありませんが、中学生が不登校になる背後には精神的な問題心身の健康上の問題が潜んでいることが多く、不登校中学生への適切なケアやサポートが必要です。

不登校の子どもたちに対しては、学校や家庭、専門家と連携してサポートを行い、中学生が不登校になる原因を特定して解決策を見つけることが重要です。 

不登校を放っておくとどうなる?

不登校になった中学生を放っておくと、さまざまな問題が発生することがあります。

以下は、不登校になった中学生を放置すると生じる可能性のある問題の例です。 

①学業の遅れ

長期間の不登校状態により、中学生には学業の遅れが生じ、将来的な進路や就職に影響を与えることがあります。

②社会的スキルの低下

学校は、子どもたちが他の人と協力したり、コミュニケーションを学んだりする場です。

中学生時代に不登校が続くと、これらの社会的スキルの獲得が困難になることがあります。 

③自己肯定感の低下

不登校の状態が続いた中学生は、自分が学校に行けないという事実に対して自己否定的な考えが生じることがあります。

これは、自尊心や自己肯定感の低下につながることがあります。 

④精神的な問題の悪化

中学生が不登校になる原因の1つである精神的な問題が放置されると、不安うつ病などの症状が悪化することがあります。

⑤人間関係の悪化

中学生が不登校状態が続くと、家族や友人との関係が悪化することがあります。

親は子どもの状況に対処するためにストレスを感じることがあり、これが家庭内の緊張や対立につながることがあります。

このような理由から、中学生の不登校は放置せず、適切な対応と不登校サポートを行うことが重要です。

学校、家庭、専門家と連携して不登校の原因を見つけ、解決策を提案し、子どもの健康と将来のために対処していくことが望ましいです。

学校復帰までのステップと必要な対応

不登校が治るまでの過程は、個々の中学生の状況や不登校になった原因によって異なりますが、一般的にいくつかの時期に区切ることができます。

①早期対応期(不登校が始まった直後)

中学生が不登校になった原因を把握し、適切な不登校サポートが必要です。

学校、家庭、専門家と連携し、子どもの状況を評価します。

必要に応じて、カウンセリング心理療法を受けます。

②中期対応期(不登校が数週間から数ヶ月)

定期的なカウンセリングやサポートを継続します。

学校と家庭が連携して、学校復帰の計画を立てます

子どもの自己肯定感を高める活動や、社会的スキルを練習する機会を提供します。

③復帰準備期(学校復帰への取り組みが始まる時期)

学校復帰に向けて、段階的に学校に慣れる活動を行います(例: 校内見学、一部の授業への参加など)。

学校と家庭が連携して、復帰計画に沿った不登校サポートを提供します。

必要に応じて、個別指導や学習支援を受けます。

④学校復帰期(学校生活に徐々に復帰する時期)

不登校が治る兆しが見えてからも、引き続きサポートが必要です。

学校や家庭、専門家が連携し、子どもの状況を定期的に評価します。

復帰後の学業や友人関係のサポートが重要です。

⑤完全復帰期(学校生活が安定していく時期)

子どもが学校生活に完全に適応し、中学生の不登校が治った状態です。

必要に応じて、引き続きサポートやカウンセリングを受けます。

これらの時期は、あくまで一般的な不登校の例であり、個々の子どもや状況に応じて異なります。

適切な対応と不登校サポートが重要であり、学校、家庭、専門家が連携して子どものニーズに応じたアプローチを行うことが求められます。

また、子ども自身が自分の感情や状況を理解し、適切なサポートを受けることで不登校が治るのに役立ちます。

各時期で重要なことは、焦らず無理をせず、子どものペースに合わせて進めることです。

子どもが自信を持って学校生活に復帰できるよう、親や教師、専門家がサポートし、中学生の不登校に対しての適切なケアやフォローアップを行うことが大切です。

最終的には、子どもが学校生活に適応し、健康的な心身の状態で成長していくことが目標です。

不登校が治るまでの過程は容易ではありませんが、不登校への適切なサポートと対応が行われることで、子どもたちは学校生活への復帰を果たすことができます。

復帰準備期に見える兆候

不登校児が復帰準備期に入っていることを示す兆候は、以下のようなものがあります。

①学校に対する興味や関心の復活

学校や友人に関心を持ち始め、学校に行くことに前向きな態度を示すようになります。

②学校復帰に向けた意欲の増加

自分から学校に行きたいと言い出す、または学校に関する話題に積極的に参加するようになることがあります。

③不安や恐怖感の軽減

学校に対する不安や恐怖感が薄れ、学校に行くことに対する抵抗感が減少することがあります。

④自己肯定感の向上

子どもが自分に自信を持ち始め、自己肯定感が向上することがあります。

⑤状況や感情のコントロール力の向上

子どもが自分の感情や状況をよりうまくコントロールできるようになり、ストレスに対処するスキルが向上することがあります。

⑥社会的スキルの回復

他の人とのコミュニケーションが改善し、友達と遊ぶことや家族との関係が良好になることがあります。

これらの不登校が治る兆候が見られる場合、不登校の中学生が復帰準備期に入っている可能性が高いです。

この時期には、親や教師が適切な不登校サポートを提供し、学校復帰に向けた計画を立てることが重要です。

また、子どものペースに合わせて進めることが大切で、無理をせず焦らず、段階的に学校生活に慣れる活動を行っていくことが望ましいです。

学校復帰までに時間がかかる理由

不登校になった中学生が学校復帰までに時間がかかる理由は、以下のような要因が関係しています。

①個々の状況や不登校になった原因の違い

中学生が不登校になった原因は、子どもごとに異なります。

いじめ、学業のプレッシャー、家庭の問題、精神的な問題など、様々な要因が関係しているため、それぞれの状況に応じた対応が必要です。

②心の傷の回復に時間がかかること

不登校になった中学生の背後には、心の傷があることが多く、これが完全に癒えるまでには時間がかかることがあります。

子どもが心の傷を乗り越え、自信を持って学校に戻るためには、適切な不登校サポートが必要です。

③学校への不安や恐怖感

不登校になった中学生は、学校に対する不安や恐怖感が強く、不登校が治るのに時間がかかることがあります。

中学生の不登校が治るまでの過程では、子どもの不安や恐怖感を理解し、適切な不登校サポートを提供することが重要です。

④社会的スキルの回復と学業のキャッチアップ

不登校期間中に、子どもは学業や社会的スキルの獲得が遅れることがあります。

不登校が治るまでの過程で、これらのスキルを回復し、学業のキャッチアップを行う必要があります。

⑤個々のペースの違い

子どもそれぞれに、不登校が治るまでに必要な時間が異なります。

焦らず無理をせず、子どものペースに合わせて復帰を進めることが大切です。

⑥適切な不登校サポートが受けられない場合

学校、家庭、専門家の連携がうまくいかない場合や、適切な不登校サポートが受けられない状況では、不登校が治るまでに時間がかかることがあります。

これらの要因から、中学生の不登校が治るまでに時間がかかることがあります。

適切な不登校サポートと対応が行われることで、不登校が治るまでの過程がスムーズに進む可能性が高まります。

学校、家庭、専門家が連携して子どものニーズに応じたアプローチを行い、子どもが自分の感情や状況を理解し、適切な不登校サポートを受けることが回復に役立ちます。

不登校が治るまでには、次のような取り組みが効果的です。

①カウンセリングや心理療法

中学生が不登校になった原因や感情を解決するために、カウンセリング心理療法が役立ちます。

これにより、子どもが自分の問題や感情を理解し、対処する方法を学びます。

②学校と家庭の連携

学校と家庭が連携して子どもの状況を把握し、適切な不登校サポートを提供することが重要です。

双方が情報を共有し、協力して子どもをサポートすることが学校復帰の成功につながります。

③学業や社会的スキルのサポート

中学生が不登校期間中に遅れた学業や社会的スキルを取り戻すために、個別指導学習支援を受けることが役立ちます。

④段階的な学校復帰

無理をせず、徐々に学校生活に慣れる活動を行うことが望ましいです。

例えば、校内見学、一部の授業への参加、休み時間だけの参加など、段階的な学校復帰が効果的です。

⑤継続的なフォローアップとサポート

学校復帰後も引き続き、学校や家庭、専門家が連携し、子どもの状況を定期的に評価し、適切な不登校サポートを提供することが大切です。

最終的には、子どもが学校生活に適応し、健康的な心身の状態で成長していくことが目標です。

中学生の不登校が治るまでの過程は容易ではありませんが、適切な不登校サポートと対応が行われることで、子どもたちは学校生活への復帰を果たすことができます。

不登校を克服するために親が出来ること

不登校を克服するために親ができることは以下のようなものがあります。

①子どもの気持ちを理解する

子どもの感情や状況を理解し、無条件で愛情とサポートを示すことが大切です。

対話を通じて子どもの悩みや不安を共有し、適切な助言や援助を提供してください。

②安定した家庭環境を提供する

家庭内でのストレスや問題が子どもの不登校に影響を与えることがあります。

安定した家庭環境を提供し、子どもが安心して過ごせる場を作りましょう。

③学校との連携

学校と密に連携し、子どもの状況や進捗を共有することが重要です。

学校と協力し、子どものニーズに応じた不登校サポートや復帰計画を立てましょう。

④専門家との協力

必要に応じて、精神科医、心理学者、カウンセラーなどの専門家と連携し、子どもに適切なケアや治療を受けさせてください。

⑤子どものペースに合わせる

無理をせず、子どものペースに合わせて復帰計画を進めることが大切です。

焦らず、徐々に学校生活に慣れる活動を行いましょう。

⑥学業や社会的スキルのサポート

子どもが学業や社会的スキルを取り戻すために、自宅での学習やスキル習得をサポートしてください。

必要に応じて個別指導や学習支援を受けさせることも検討してください。 

⑦継続的なフォローアップ

学校復帰後も引き続き、子どもの状況を定期的に評価し、適切な不登校サポートを提供してください。

学校や専門家との連携も続けましょう。

親が積極的に関与し、適切な不登校サポートとケアを提供することで、子どもは不登校を克服し、学校生活への復帰を果たすことができます。 

最後に、中学生が不登校になる原因として多い「起立性調節障害(OD)」について解説したいと思います。家庭教師のアーチでも「起立性調節障害(OD)」と診断された中学生のお子さまをお預かりするケースが多いです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

起立性調節障害(OD)とは?

定義と概要

起立性調節障害とは、起き上がる、立つといった姿勢の変化に伴い、自律神経がうまく働かずに血圧や心拍数が適切に調整できなくなる疾患です。このため、朝起きられない、めまい、立ちくらみなどの症状が現れます。

中学生に多い理由

  • 成長期の影響
    思春期には身体が急激に成長するため、自律神経のバランスが崩れやすい時期です。
  • 生活環境の変化
    学校生活に伴うストレスや夜更かしといった生活リズムの乱れも大きな要因です。

発症率

中学生の10〜20%がこの症状を経験すると言われており、特に女性に多い傾向があります。

主な症状

起立性調節障害には以下のような症状が見られます。

  • 朝起きられない
    自律神経が不安定なため、朝の覚醒が困難になります。
  • 立ちくらみやめまい
    立ち上がった時に血流が急激に低下し、ふらつきや失神を伴う場合もあります。
  • 集中力の低下
    授業中にぼんやりする、テストに集中できないといった問題が発生します。
  • 倦怠感や頭痛
    体のだるさや偏頭痛のような症状が続くこともあります。

これらの症状は、不登校や成績低下の原因となる場合があるため、早期の対応が重要です。

診断方法

起立性調節障害かどうかを確認するには、以下の検査が一般的です。

  • 10分間起立試験
    横になった状態と立ち上がった状態での血圧と心拍数の変化を測定します。
  • 医師の診察
    小児科や内科で詳しい問診と検査を受けることが必要です。

早期診断のため、朝の症状が長引く場合には医療機関を受診しましょう。

中学生の生活への影響

学校生活
  • 遅刻や欠席が増え、授業についていけない。
  • 体育の授業や部活動でのめまいにより、活動を控えるケースも
家庭生活
  • 朝起きられないことで家族内のトラブルが発生しやすい。
  • 「怠けているのでは?」という誤解を受けやすい。

親子間の信頼を保つため、適切な対応が求められます。

起立性調節障害の治療と対策

医療的なアプローチ
  • 薬物治療
    血圧を安定させるための薬や自律神経を調整する薬が使用されます。
  • 心理的サポート
    不安やストレスを軽減するため、カウンセリングが有効です。
生活習慣の改善
  • 睡眠リズムの確保
    毎日同じ時間に就寝・起床する習慣をつけましょう。
  • 水分と塩分の摂取
    こまめな水分補給と適度な塩分摂取が自律神経を整えます。
  • 朝の起床方法
    ベッドで数分間ゆっくり座るなど、急な立ち上がりを避ける工夫が大切です。
学校との連携
  • 診断書の提出
    学校に理解を求め、登校時間の柔軟性や課題の配慮を依頼します。
  • オンライン学習の活用
    不登校が続く場合、オンライン授業を取り入れることで学びを継続できます。
親ができるサポート
  • 子どもの気持ちを受け止める
    「怠けている」と決めつけず、体調に寄り添う姿勢が大切です。
  • 無理をさせない
    完全に回復するまでは、学校への強制的な登校を避けましょう。

実際の体験談

体験談1:周囲の理解が得られたことで前向きに
中学1年生
男子

最初は『ただの朝寝坊』と先生や友達に誤解されて辛かったです。でも、診断を受けて学校に説明したところ、登校時間を少し遅らせてもらえるようになりました。体調に合わせた登校を続ける中で、友達も『無理しなくていいよ』とサポートしてくれるようになり、学校が楽しくなりました。

体験談2:水分補給の工夫で改善
中学3年生
女子

朝、立ちくらみやだるさで動けなかったのですが、医師に『起きたらすぐ水を飲むように』と言われて試してみました。それだけで、少しずつ朝の動きが楽になりました。今は寝る前に枕元に水を用意し、朝飲むのが習慣です。

体験談3:オンライン学習の活用
中学2年生
女子

朝が特に辛く、長い間学校に行けませんでした。でも、学校がオンライン授業を用意してくれたおかげで、家でも無理なく勉強を続けられました。今は体調が安定してきたので、週に2〜3日は登校できるようになり、自信がつきました。

体験談4:家族の協力で乗り越えた
中学3年生
男子

親が最初は『甘えてる』と言っていましたが、病院で診断を受けた後は、生活リズムを整えるために一緒に努力してくれました。例えば、夜はスマホを置いて早く寝るように声をかけてくれたり、朝もゆっくり起こしてくれたり。家族の支えがあったおかげで少しずつ学校生活が戻ってきました。

体験談5:部活との両立が可能に
中学2年生
男子

陸上部に所属していましたが、起立性調節障害の影響で朝の練習や大会に参加できない日が増えました。医師の指導で水分や塩分をしっかり摂り、朝練は無理せず夕方の練習だけ参加する形に変更しました。顧問の先生も理解してくれて、無理せず活動を続けられるようになりました。大好きな部活をやめずに済んで本当に良かったです。

起立性調節障害(OD)まとめ

起立性調節障害は一見深刻に思える症状ですが、適切な治療とサポートにより改善が期待できます。家族や学校が一丸となって支えることで、中学生が再び充実した日常を取り戻すことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

中学生が不登校になることは病気ではありません。しかし、中学生の不登校状態を放置すれば大きなリスクがあります。

先程お伝えしたように、不登校が治るまでには幾つかの時期に分かれます。その時期に合った対応が必要です。保護者さまだけではなく、家族、学校、専門家と協力しながら1日でも早く中学生のお子さまが学校に復帰できることを祈っております。

私が運営している家庭教師のアーチでも多くの不登校中学生をお預かりしております。

通常の訪問形式はもちろん、オンラインによる家庭教師の対応も可能です。

家庭教師ですので、指導曜日、指導時間、指導教科や学習レベルについてもご希望を頂ければ、その条件に沿った家庭教師を紹介する事が出来ます。

実際に家庭教師を紹介させて頂いているご家庭からも喜びの声を頂いておりますので、家庭教師による不登校支援にご興味のある保護者さまは気軽にご相談頂けますと幸いです。

お子さまの進路選択のお力になれれば嬉しいです。