中学生の不登校児童の将来は?【高校進学や親の対応など詳しく解説】

こんにちは!「家庭教師のアーチ」代表の白岩です。

今回のブログは「中学生の不登校児童の将来」についてお話をさせて頂きます。

今回のテーマ 「中学生の不登校児童の将来」

このページをご覧になっている保護者の方は、中学生のお子さまが不登校状態であったり、不登校まではいってなくても兆候が目立つようになってきているのではないでしょうか?


不登校の中学生の子供の将来が心配…


このような将来への心配や不安を抱えながら日々を過ごされているのではないかと思います。

私の運営している家庭教師のアーチでも不登校の中学生をお預かりするケースが増えてきています。

その経験をもとに、今回は不登校のお子さまの将来について、色々な角度から考えていきたいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

▼もくじ

●不登校中学生の現状

日本における不登校中学生の現状は以下のような特徴を持っています。

①数字の増加

2020年度の日本の文部科学省による調査では、中学生の不登校児童生徒数はおよそ59,000人でした。これは全体の不登校児童生徒数のうち、約39%を占めています。

ただし、これらの統計は報告された不登校中学生の児童生徒数であり、実際の数はもっと多い可能性があります。

②原因の多様化

中学生が不登校になる原因は多岐にわたります。

学業や人間関係のストレス家庭内の問題健康上の理由メンタルヘルスの問題など、さまざまな要因が絡み合って、中学生が不登校となるケースがあります。

③サポートの需要増加

不登校中学生のサポートを必要とする声が増えています。

学校地域専門の支援機関などでの支援体制の充実や、不登校対策の研究・実践の取り組みが進められています。

④学校の対応の多様化

学校側の対応も多様化しています。

一部の学校では、不登校の中学生に対して個別の支援プランを作成し、自宅学習や学校外での学習支援を行うなど、柔軟な対応をしているところもあります。

⑤社会的な課題

不登校中学生の増加は、社会的な課題としても取り上げられています。

不登校中学生が持つ将来への影響や、社会的なつながりの喪失、社会経済的な格差の懸念などが議論されています。


以上のように、日本における不登校中学生の現状は、増加傾向や原因の多様化などが見られる一方で、対応や支援体制の充実なども進んでいるという特徴があります。

●不登校中学生が20歳になったときの状況

文部科学省の不登校中学生についてのデータによると、中学生の時に不登校だった人の20歳のときの状況は、以下のとおりです。

・学校に通っている…34.5%
・仕事をしている…27.8%
・学校に通いながら仕事をしている…19.6%
・学校に通わず、仕事もしていない…18.1%

このように中学生の時に不登校であったとしても、近い将来には80%以上が学校に通ったり、仕事に就いているというデータがあります。

不登校となると「引きこもり」や「ニート」と直結するイメージがあるかもしれませんが、将来について悲観する必要は全くありません


就職の内容としても、

就職状況

・正社員…9.3%
・パート/アルバイト…32.2%
・その他(会社経営など)…3.4%

この数字を見ると、一見「パート/アルバイト32.2%」が多く見えるかもしれませんが、先ほどのデータにもあるように「学校に通いながら仕事をしている19.6%」なので、半分以上は学生がアルバイトをしていることになるので、決して多い数字ではありません。


進学先の割合を見ても、

進学先の種類

・大学/短大/高専…22.8%
・専門学校/各種学校等…14.9%
・高等学校…9.0%

このように40%近くが「大学/短大/高専/専門学校」に通っているというデータが出ていますので、そこまで大きな心配をする必要はありません。


ただ、不登校の中学生をお持ちの保護者の方は、将来と同様にもっと近い将来である「中学卒業後の進路」も心配されるのではないでしょうか?

それについてのお話もさせて頂きます。

●不登校中学生の中学卒業後の進路

不登校の中学生が卒業後に取る進路は、その個々の状況やニーズに応じて異なります。

一般的な進路には以下のようなものがあります。

①高校進学

不登校を克服し、通常の全日制高校に進学する中学生もいます。

適切な支援を受けることで、学業やコミュニケーション能力を向上させ、高校での学びに適応できるケースもあります。

②通信制高校・サポート校・夜間高校

不登校の経験がある中学生に対して、通信制高校サポート校夜間高校などの柔軟なカリキュラムやサポート体制が整った高校へ進学する選択肢があります。

③就職

中学卒業後に働くことを選択する中学生もいます。

ただし、中学卒業者の就職は限定的であり、将来的なキャリアの選択肢が狭まる可能性があるため、注意が必要です。

④専門学校・職業訓練校

将来に向けて専門的な技術や知識を身につけたい場合、専門学校職業訓練校へ進学することがあります。

これらの学校では、専門分野のスキルを習得し、将来の就職に繋げることができます。

⑤休学・自宅学習・療養

中学卒業後も引き続き自宅で学習したり、将来に向けての療養に専念する中学生もいます。

適切なサポートを受けながら、将来的な進路を見つけることが大切です。


最終的に、不登校の中学生が卒業後に取る進路は、個々の状況やサポートの内容によって大きく左右されます

家族や学校、専門家と連携して問題に取り組むことが、将来の成功に繋がります。


では、不登校中学生が全日制高校にや通信制高校に進学することのメリットやデメリットについても掘り下げていこうと思います。

●全日制高校に進学するメリット

不登校の中学生が全日制高校に進学するメリットは以下の内容があります。

①社会性の向上

全日制高校では多くの生徒と一緒に学ぶことで、将来に役立つコミュニケーションスキル協調性を身につけることができます。

②学習環境

全日制高校は教育カリキュラムが整っており、将来に向けて専門的な知識や技能を学ぶための環境が提供されます。

③進学・就職のサポート

全日制高校は進学や就職のサポートが充実しており、卒業後の進路を検討しやすい環境があります。

④学校行事

全日制高校では、クラブ活動文化祭などの学校行事に参加することで、友人関係を築き、充実した学生生活を送ることができます。

⑤同世代との交流

全日制高校で学ぶことで、同じ年代の生徒との交流が増え、人間関係のスキルを向上させることができます。

●全日制高校に進学するデメリット

逆にデメリットは以下の内容になります。

①ストレスの増加

中学生が不登校になった原因が学校環境にある場合、全日制高校に進学することでストレスが増加する可能性があります。

②適応困難

不登校期間が長かった場合、全日制高校の環境に適応することが難しくなることがあります。

③学業遅れ

中学生が不登校期間中に学業が遅れていた場合、全日制高校での学習についていくのが困難なことがあります。

④個別のニーズに対応しづらい

全日制高校では多くの生徒がいるため、個々の生徒のニーズに十分に対応できないことがあります。


不登校の中学生が全日制高校に進学するかどうかは、個々の状況やニーズに応じて慎重に検討することが重要です。

適切な支援や指導を受けながら、将来の進路を見つけることが大切です。

●通信制高校に進学するメリット

不登校の中学生が通信制高校に進学するメリットは以下の内容があります。

①柔軟な学習スケジュール

通信制高校では、自分のペースで学習ができるため、中学生時代に不登校の経験がある生徒にとってストレスが軽減されることがあります。

②学習環境への適応

通信制高校は個々のニーズに合わせて学習ができるため、全日制高校で適応困難だった生徒にも適した環境が提供されます。

③オンライン学習の利用

通信制高校ではオンライン学習を利用することができるため、自宅で学習ができることがメリットとなります。

④個別指導やサポート

通信制高校は個々の生徒に対応した指導やサポートが充実しており、生徒のニーズに合わせた教育が受けられます。

●通信制高校に進学するデメリット

逆にデメリットは以下の内容になります。

①学校生活の制限

通信制高校では全日制高校ほど充実した学校生活が期待できないことがあります。

例えば、クラブ活動や文化祭などの行事への参加が限定的です。

②人間関係の機会が少ない

通信制高校では対面の授業が少ないため、同世代との交流が全日制高校ほど多くはありません。

③進学・就職への影響

通信制高校は一部の大学や企業において、全日制高校と同等の評価を受けられない場合があります。

ただし、近年は通信制高校の評価も高まっており、状況は変わりつつあります

通信制高校に進学するかどうかは、不登校中学生の個々の状況やニーズ、将来へのイメージに応じて検討することが重要です。

自分に合った学習環境を選ぶことで、将来の進路に向けて適切なサポートを受けることができます。

●引きこもりやニートになる原因

将来的に不登校中学生が引きこもりやニートになる原因は複合的であり、以下のような要因が考えられます。

①精神的・心理的な問題

不登校中学生には、うつ病不安障害自己肯定感の低さなど、精神的・心理的な問題を抱えている場合があります。

これらの問題が将来的に引きこもりやニートの原因となり、自分自身や社会との関わりを避けるようになることがあります。

②家庭環境の問題

家庭環境が不安定であったり、家族との関係に問題がある場合には、不登校中学生が将来的に引きこもりやニートになる可能性があります。

例えば、家族の離婚家庭内暴力虐待経済的困窮などが含まれます。

③社会的な孤立

不登校中学生は、学校を離れることで社会的なつながりを失うことがあり、社会的な孤立が生じる場合があります。

友人関係や社会的スキルの欠如により、社会との関わりを避けるようになり、将来的に引きこもりやニートになる可能性があります。

④自己肯定感の低さや自己価値の喪失

不登校中学生は、学校に行けないことを自分自身に対して責めたり自己肯定感が低くなる場合があります。

また、学業や社会的な役割を果たせないことで自己価値を感じられなくなり、将来的に引きこもりやニートになる可能性があります。

これらの要因が組み合わさることにより、不登校中学生が将来的に引きこもりやニートになることがあります。

早期の支援や適切な対応が重要であり、専門家や関係者のサポートを受けることが大切です。

●不登校の中学生が将来待ち受けるリスク

不登校の中学生が将来待ち受ける可能性のあるリスクをいくつか挙げてみます。

①学業的な遅れ

学校に通わないことで、中学生の学業が遅れる可能性があります。

中学は高校進学のための基盤を築く重要な時期であり、学業的な遅れが将来の進路や就職に影響を及ぼす可能性があります。

②社会性やコミュニケーション能力の低下

学校は社会的なスキルやコミュニケーション能力を身につける場でもあります。

不登校の中学生は、学校に通う機会を逃すことで、社会性やコミュニケーション能力が低下する可能性があり、将来の社会的な関係や職場での対人関係に影響を及ぼす可能性があります。

③心理的な問題の悪化

不登校中学生は精神的な負担を抱えることが多く、うつ病や不安症状などの心理的な問題が悪化する可能性があります。

これにより、将来の心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

④就職や進学の障害

不登校の中学生は、中学卒業後に高校への進学や就職活動において、学歴や学業成績に関するハンディを抱える可能性があります。

また、学歴や学業成績は一部の企業や大学の選考においても重要視されるため、近い将来において就職や進学の際に不利な立場に置かれる可能性があります。

⑤社会的な経験の不足

学校は社会的な経験を積む場でもあります。不登校の中学生は、学校に通わないことで、社会的な経験が不足する可能性があります。

これにより、将来の社会的な適応や人間関係の構築に影響を及ぼす可能性があります。

以上のように、不登校の中学生が将来待ち受けるリスクは多岐にわたります。

●不登校中学生の将来に向けて親ができる対応

中学生の子供が不登校になった場合、親としての対応が重要です。

以下は不登校中学生の将来に向けて親が対応できることの例です。

①焦らず、理解とサポートを示す

中学生の子供が不登校になった理由を理解し、子供自身のペースを尊重しましょう。

子供の気持ちに寄り添い、理解とサポートを示すことが大切です。

子供が話したいときに話を聴きプレッシャーや無理をかけずに子供をサポートしましょう。

②学業以外の興味を尊重する

子供の興味や才能を尊重しましょう。

学業だけでなく、子供自身が興味を持つ分野に対してもサポートをすることで、子供の自己肯定感を高め、将来の選択肢を広げることができます。

③専門家の支援を受ける

中学生の子供の不登校に対しては、専門家の支援を受けることが大切です。

教育カウンセラーや心理士などの専門家に相談し、子供の心理的な健康や学習支援を受けることで、適切な対応ができます。

④社会的な関係を促す

子供の社会的な関係を促しましょう。

友人関係や社会的な活動を通じて子供の社会的スキルを発展させ、自己肯定感を高めることが大切です。

⑤自己肯定感を育む

中学生の子供が不登校になった場合、自己肯定感を育むことが重要です。

子供の長所や成果を認め、褒めることで自己肯定感を高めましょう。

自分自身を肯定的に評価し、自信を持つことが将来に向けての基盤となります。

これらの対応を通じて、中学生の子供が不登校になった理由を理解し、子供の心理的な健康をサポートし、自己肯定感を高めることが、不登校中学生の将来に向けてのポジティブな影響を与えることができます。

また、専門家の支援を受けることで、適切なアプローチを見つけ出すことも大切です。

●まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は不登校中学生の将来について、色々な角度からお伝えさせて頂きました。

不登校である中学生のお子さまの将来を考えていく上で少しでもヒントになった事があれば嬉しいです。


私が運営している家庭教師のアーチでも多くの不登校中学生をお預かりしております。

通常の訪問形式はもちろん、オンラインによる家庭教師の対応も可能です。

家庭教師ですので、指導曜日、指導時間、指導教科や学習レベルについてもご希望を頂ければ、その条件に沿った家庭教師を紹介する事が出来ます。


実際に家庭教師を紹介させて頂いているご家庭からも喜びの声を頂いておりますので、家庭教師による不登校支援にご興味のある保護者さまは気軽にご相談頂けますと幸いです。