【2025年版】不登校の中学生|理由がわからないとき親ができること・考え方・相談先まとめ
こんにちは!家庭教師のアーチ、代表の白岩です。
今回は「不登校になった理由がわからない中学生への対応策」についてお話ししていこうと思います。

不登校になった理由がわからない中学生への対応策
文部科学省が公表している「令和3年度(2021年度)問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和4年10月発表)によると、全国の中学生の不登校生徒数は約16.3万人(163,442人)にのぼり、過去最多を更新しています。
さらに、小学生を含めた小・中学校全体では約24.5万人(244,940人)となり、前年度より約49,000人増加したと報告されました。これは「年間30日以上欠席し、病気や経済的な理由を除いた不登校」の児童生徒数であり、不登校が年々深刻化していることがうかがえます。
一方で、不登校の原因に関しては「いじめ」や「学業不振」、「家庭環境の問題」などが挙げられる一方、「本人が理由を自覚できないまま行きづらくなっている」といった複合的・潜在的な要因も少なくありません。令和3年度の調査結果でも、原因が一つに絞れないケースや要因が特定できないケースが一定数見られ、「理由がわからない」まま不登校になってしまう中学生が増えていることが示唆されています。
【引用元】読売新聞オンライン「小中学生の不登校 過去最多24万4940人」
もし、お子さんが不登校になって

原因や理由がわからない…
という場合に、どのように対応した方が良いのか、逆にやっていけないことは何なのか?について詳しく解説していこうと思います。
不登校中学生をお持ちの保護者さまの不安や悩みが少しでも軽減する事の助けになれれば嬉しいです。
▼もくじ
原因が「分からない」子どもの背景・心理とは?
いじめや学業不振など、明確な出来事がないように見えても、子どもなりに複雑な感情や思考が絡み合い、言葉にできなくなっていることが少なくありません。ここでは、その背景や心理をいくつかの角度から掘り下げてみましょう。
①感情の整理がつかず、自分でも言語化できない
思春期はホルモンバランスの変化や社会性の拡大にともない、感情の起伏が激しくなる時期でもあります。
- 自分の気持ちが短期間で揺れ動くため、なぜ「学校に行きたくない」と感じているのかをうまく整理できない。
- 「分からない」という答えは、実は「自分の中でまだ気持ちをまとめられていない」状態であることが多い。

②親や教師に本音を言いづらい
子どもによっては、親や教師からの「頑張ってほしい」「成長してほしい」という期待を感じることで、逆に本音を言うのをためらう場合があります。
- 「こんなことで悩んでいると言ったら怒られるかも」という恐怖や罪悪感。
- 親に心配をかけたくない、迷惑をかけたくない思いから、本当の理由を隠して「分からない」と答えてしまうことも。
③“なんとなく行きづらい”が積み重なっている
いじめや大きなトラブルがない場合でも、小さな居心地の悪さやストレスが日々積み重なり、ある日「もう行きたくない」と感じるようになるケースがあります。
- 友達のちょっとした言動や先生の指導が引っかかり、「いつもモヤモヤする」状態が続く。
- 本人は「大きな問題があったわけじゃないし…」と思うため、理由を自覚しづらいまま不登校に至ってしまう。

④自分でも認めたくない原因を無意識に否定している
子ども自身が「実は勉強についていけていない」「友達からのからかいがつらい」など、本当の原因をうすうす感じていながらも認めたくなくて、心の防衛本能として「わからない」と言ってしまうことも。
- 認めてしまうと自分が傷つく、または親を失望させるかもしれないという恐れ。
- カウンセリングや時間をかけた対話を通じて、少しずつ原因を掘り下げていく必要がある場合がある。
⑤思春期の自我形成と周囲とのズレ
思春期は「自分はこうありたい」という自我や価値観が芽生えやすい時期ですが、周囲(親や学校、友人)の価値観と衝突すると、何となくやる気を失うことがあります。
- 「先生や親が言っていることに納得できないけれど、説明できない」といったズレの蓄積。
- 「学校の意味がわからない」「自分は将来どうしたいのか見えない」といった漠然とした悩みも「行きたくない」「理由がわからない」につながります。

⑥複数の要因が絡み合い、“一つの原因”に絞れない
不登校は必ずしも単一の問題だけが引き金になっているわけではありません。
- 家族関係(親の不和、きょうだいとの比較)
- 学校の環境(クラス替え、友人関係、先生との相性)
- 子どもの個人的な性格や体質(HSP傾向や発達特性など)
こうしたいくつもの要素が組み合わさっているため、当の本人が「どれが一番の原因なのか分からない」と感じることは自然なことと言えます。
まとめ:
原因を無理に追及するより「気持ちを受け止める」姿勢が大切
子どもが「理由がわからない」と言う場合、決して「とにかく学校へ行きたくないだけ」という意味ではなく、いくつもの要因が複雑に絡んでいる可能性があります。学校や家庭、本人の性格、周囲の期待など、思春期特有の敏感さも相まって、自分の気持ちをうまく言葉にできないだけかもしれません。
親としては、無理に「何が原因か早く教えて!」と問い詰めるのではなく、「気持ちを聞かせてくれてありがとう」と受け止め、まずは安心できる環境を整えることが大切です。そこから少しずつ、専門家や学校と連携してサポート体制を築いていくことで、子ども自身も「もしかしたら○○がつらかったのかも」と気づき始めることがあります。

理由が「分からない」不登校の事例や体験談
①友人関係の不安から理由がわからないまま不登校になったAくん

不登校のきっかけ
中学に入学してすぐは元気に通っていたAくん。しかし、新しいクラスになじむのに時間がかかり、休み時間に友達の輪に入れなかったことが続くうちに「学校がなんとなく嫌だ」と感じるように。
最初は月に数日休む程度でしたが、ある朝「お腹が痛い」「頭が痛い」と言う日が増え、気づけばまったく登校しない状況になりました。
「理由がわからない」と言うAくんの本音
親が「何かあったの?」と問いかけても、「特にない」「わからない」と答えるばかりで、いじめなど具体的なトラブルは見当たらないようでした。
しかし、実はAくん自身も漠然とした孤独感や不安感を抱いていたものの、それを言葉にできずにいたのです。
解決へのステップ
- カウンセリングの活用
担任の先生に相談すると、スクールカウンセラーとの面談を勧められました。Aくんは当初乗り気ではありませんでしたが、無理に話をさせようとせず、親も少し距離を置いて見守るスタンスを取り続けたことで、3回目の面談あたりからポツポツと自分の不安を口にするようになりました。 - 小さな挑戦から
いきなりクラス全体の授業に参加するのではなく、昼休みや放課後に図書室で少しずつ友達と会う機会を作る、見学だけでも部活動に行ってみるなど「小さな成功体験」を重ねました。 - 親子のコミュニケーション
親が「今日はどんなことがあったの?」と詰問調ではなく、雑談のように軽く声をかけ、Aくんが話したい時だけ聞くように心がけた結果、「今日は図書室で少し話せたよ」と自分から報告する日も出てくるように。
Aくんの場合、理由を自覚できないまま行きづまっていたものの、少しずつ「自分の気持ちを口に出す練習」を重ねることで登校できる日が増えていきました。
②成績優秀だったが漠然としたプレッシャーで学校に行けなくなったBさん

不登校のきっかけ
小学校までは成績も良く、学校行事でも活躍していたBさん。しかし、中学2年生に進級してからテストの難易度が上がり、部活との両立も難しくなり始めました。
家族からは「将来はトップ校を目指そう」と言われ続けていたこともあり、「頑張らなきゃ」という思いと「これ以上頑張れない」という思いの間で苦しんでいたそうです。
「行きたくない」とは言うものの原因ははっきりしない
Bさんが登校拒否を示し始めたとき、親は「なぜ?」と理由をしつこく聞きましたが、Bさん自身も「自分でもよくわからない」と答えるばかりでした。
実際には成績への不安や期待に応えられないプレッシャーが大きかったのですが、本人もそれを言葉にしづらかったのです。
解決へのステップ
- 親の声かけを変える
親が「学校に行かなきゃダメでしょう!」という言い方を改め、「今どう感じている?」「勉強をどう考えている?」とBさんの気持ちにフォーカスした声かけに変えました。 - 第三者の支援
学校の担任やカウンセラーだけでなく、外部の家庭教師やフリースクールを探し、Bさんのペースで学習・コミュニケーションができる場を見つけました。学校復帰にこだわらず、まずは学習の遅れを「自宅学習」でゆっくり取り戻す期間を設けたのです。 - 将来の選択肢を広げる
これまでは「トップ校を目指す」の一択でしたが、「もし無理なら別の道もある」「高校受験だけがすべてじゃない」と、親子で話し合う機会を増やしました。その結果、Bさん自身が少し気持ちに余裕を持つようになり、次第に学校行事へ少しずつ参加してみようという意欲が出てきました。
Bさんのケースでは、本人が自分の気持ちをしっかりと認識・言語化できるようになるまで時間がかかったため、親が焦らず「選択肢を広げる」ことで、子どもの心の負担を減らしていったことが大きなポイントでした。
③家庭内トラブルと人間関係が複雑に絡み合ったCさんのケース

不登校のきっかけ
Cさんの家庭では、両親がしばしば口論をするなど、家庭内の雰囲気が良くありませんでした。Cさん自身も「家にいると心が休まらない」と感じていましたが、家計の問題など大人の事情が絡んでいるため、自分からは何も言い出せない状況が続いていました。
また、学校では部活動の先輩や同級生とのコミュニケーションで些細なトラブルが重なり、なんとなく居場所を感じられなくなりました。具体的ないじめではなかったものの、気持ちが晴れず、朝起きると頭痛や腹痛を訴えるようになり、次第に登校しなくなってしまいました。
「理由がわからない」と言い続けたCさんの本音
親から「学校に行きなさい」「部活はどうするの?」と言われても、Cさんは「だって行きたくないんだもん」「自分でもわからない」としか答えられませんでした。
実は、家でも学校でもストレスを抱えていたCさんですが、どちらにも根本原因があったため、本人も整理しきれなかったのです。
解決へのステップ
- 家庭と学校それぞれに相談窓口を作る
担任の先生やスクールカウンセラーにCさんの家庭状況を話し、家庭内の問題に対しては地域の子育て支援センター(もしくは児童相談所)に相談するなど、両面でサポート体制をつくりました。 - 無理に「原因を1つに絞らない」
親も最初は「何が原因かはっきりしてほしい」と思っていましたが、カウンセラーの助言により「学校だけの問題でも、家庭だけの問題でもない」と理解しはじめ、Cさんの気持ちを責めるのをやめました。 - 別室登校やオンライン学習を取り入れる
しばらくはクラスに戻るハードルが高かったため、登校するときは図書室や保健室など別の場所で自習したり、オンライン学習で授業に参加したりするなど、フレキシブルな形を取りました。Cさんが少しずつ「学校に行けた」という成功体験を重ねることで、自分自身を肯定できるようになっていきました。
Cさんの場合、家庭と学校どちらにも原因があったため、本人は漠然と「もうダメだ」と思い込みがちでした。しかし、周囲の大人が1つひとつの問題を切り分けてサポートした結果、徐々に「学校に行ってもいいかも」と思える日が増えていきました。
不登校の原因を探るためのチェックリスト
「理由がわからない」とお子さんが口にするとき、実はさまざまな要因が複雑に絡んでいる可能性があります。以下のチェックリストを参考に、一つひとつゆっくり確認してみてください。
①生活リズム・身体の状態
⬜︎ 朝起きられない日が続いている
・睡眠不足や生活リズムの乱れで、心身ともに疲れが溜まっていないか。
⬜︎ 食欲が極端に落ちていたり、偏食が目立ったりする
・栄養不足で体調を崩していないか、ストレスで食事がとれていないか。
⬜︎ 頭痛や腹痛などをよく訴える
・身体的な問題がある可能性もあるが、ストレスや不安が身体症状となって表れている可能性もある。

②学業や学習面でのストレス
⬜︎ 勉強の進み具合・成績について、不安やプレッシャーを感じている
・学年が上がるにつれ内容が難しくなり、ついていけないと感じていないか。
⬜︎ 勉強に集中できず、宿題や課題の提出に遅れがち
・学校の授業がわからないままになっていないか。塾や習い事で疲れていないか。
⬜︎ 親や周囲からの期待が重荷になっている
・「もっと頑張らなきゃ」「◯◯高校に行かなければ」という思い込みはないか。

③友人関係・学校でのコミュニケーション
⬜︎ 友人とのトラブルや気まずい関係がないか
・いじめやハブりなど、表面化しにくい小さなトラブルが続いていないか。
⬜︎ 学校で相談できる相手がいるか
・相談相手(担任・部活の先輩・スクールカウンセラーなど)が思い当たらない場合、孤立している恐れがある。
⬜︎ 「自分の居場所がない」と感じていないか
・クラス替えや部活動の変化で急に孤独感を覚えていないか。

④家庭環境・親子関係
⬜︎ 家庭内の雰囲気は落ち着いているか
・親のケンカや経済的な不安などが子どもに影響していないか。
⬜︎ 子どもとの会話時間・質は十分か
・「今日の学校はどうだった?」といった“尋問”ではなく、雑談ができる雰囲気があるか。
⬜︎ 子どもの話を最後まで聞けているか
・「こうしなさい」と指示ばかりになっていないか。否定せず受け止める余裕があるか。

⑤本人の性格・心理面
⬜︎ 自己主張が苦手で、我慢しやすいタイプではないか
・クラスメイトや先生に自分の本音を言えず、ストレスをため込んでいないか。が子どもに影響していないか。
⬜︎ 完璧主義傾向が強すぎて、少しの失敗を許せないことがないか
・「オールまたはゼロ思考」で行き詰まりやすいタイプかもしれない。
⬜︎ ネガティブに物事を捉えやすいかどうか
・「どうせ自分なんて…」と思い込みがちな子は、ちょっとしたきっかけで学校へ行きづらくなることがある。

チェックリストを活用するコツ
- 一度に全部を確認しようとしない
時間や日を分けて、子どもの状態を少しずつ観察していくことで、無理なく状況を把握できます。 - 子ども本人に直接見せるのも一つの方法
「こういう項目があるみたいだけど、一緒に見てみない?」と誘い、当てはまる・当てはまらないを親子で話し合うと、思わぬ気づきがあるかもしれません。ただし、子どもが拒否している場合は無理に進めず、まずは親が把握するところからでもOKです。 - 当てはまる項目が多い=確実な原因というわけではない
あくまで“可能性”として把握するためのリストなので、すべてが確定的なものではありません。いくつかのヒントが見つかったら、次はスクールカウンセラーや医療機関など専門家に相談してみるのがおすすめです。
【Q&A形式】親がやってはいけないこと/やるべきこと
Q1. 子どもが「理由はわからない」と言っている状態で、無理に学校へ行かせるのは良くない?

Q1.
子どもが「理由はわからない」と言っている状態で、無理に学校へ行かせるのは良くないでしょうか?

A1.
無理に行かせるのは避けたほうがいいです。
理由が自分でも整理できていない状態で、「行きなさい!」と追い込まれると、子どもはさらにストレスを感じ、不登校が長引いてしまうことが多いです。
まずは子どもが話せる環境を作り、本人の気持ちを受け止めながら原因を少しずつ探っていくことが大切です。
Q2. 何度聞いても「理由が分からない」という場合、強引に原因を追及してもいい?

Q2.
何度聞いても子どもが「理由が分からない」と言います。理由をはっきりさせるためには、少し強引にでも話したほうが良いでしょうか?

A2.
責めたり詰め寄ったりするのは逆効果です。
「本当は何か隠しているのでは?」「何があったのか言いなさい」と問い詰めると、子どもは罪悪感や恐怖心で心を閉ざしてしまいます。
「分からないなら、いまは無理に話さなくてもいいよ」と、子どものペースに合わせる姿勢を見せることで、子どもが少しずつ本音を話しやすい雰囲気を作るのが理想的です。
Q3. 他の子と比較してもいい?

Q3.
「うちの子だけ学校に行けない」ことを情けなく感じ、つい他の子と比べたくなります。比較するのは良くないですか?

A3.
他の子と比較することは避けましょう。
「○○ちゃんはちゃんと行ってるのに」「お兄ちゃんは元気に行ってるのに…」と比べられると、子どもはさらに自分に自信を失い、追い詰められてしまいます。
子どもの背景や性格は一人ひとり違います。比べるのではなく、今の状態を受け止めてサポートするという意識を持ちましょう。
Q4. 不登校の状態を放置しても問題ない?

Q4.
不登校の状態が続いていますが、「そのうち良くなるだろう」と放置しても大丈夫でしょうか?

A4.
完全放置は避けたほうがいいです。
不登校が長期化すると、子どもの自己肯定感が低下し、学校や社会とのつながりも薄れやすくなります。
しかし、アレコレ詰め込むのではなく、定期的に声をかけたり、専門家に相談したりといった、子どもをサポートするアクションをとりましょう。「話を聞きたい」という姿勢を持ち続けることが大切です。
Q5. 「受験に間に合わない」など将来の不安を子どもに伝えてもいい?

Q5.
子どもの学年を考えると「将来困るから早く学校へ戻って」「受験に間に合わなくなる」と思ってしまいます。子どもに伝えてはまずいですか?

A5.
過度なプレッシャーは逆効果になりやすいです。
将来を心配する気持ちは当然ですが、子どもが心の余裕をなくしているときに「勉強しなきゃダメ」「受験が…」と追い詰めてもモチベーションは上がりません。まずは心身を安定させ、段階的に目標を設定するようにサポートしましょう。
Q6. 親の不安や悩みを子どもにぶつけてしまうのは?

Q6.
親の不安や悩みを子どもと共有してもいいですか?

A6.
親の不安をそのままぶつけるのは控えましょう。
「こんな状態が続くなら、私が参っちゃう」「あなたが行かないと経済的にも困る」など、親の不安を強く表すと、子どもはさらに追い詰められることがあります。
親自身の不安や悩みは、専門家や友人、家族など別の相談相手に話すことをおすすめします。子どもには「あなたの存在を大切に思っているよ」と安心感を与える方が効果的です。
Q7. 何も話したがらない子に、親はどんな声かけをすれば?

Q7.
子どもが何も話したがらない場合、親としてどんな声かけをすればいいですか?

A7.
“雑談”や“日常会話”を増やし、まずは雰囲気づくりを心がけましょう。
・今日はゆっくり休めそう?
・最近好きな音楽ある?
・ごはん、何食べたい?
といった何気ない会話から始めてみてください。質問攻めは避け、「あなたを理解したい」「あなたとコミュニケーションをとりたい」という気持ちが伝わると、子どもが安心して話せるようになるかもしれません。
Q8. 夜更かしが続いて朝起きられない場合の対処法は?

Q8.
夜更かしが続いていて、子どもが朝起きられません。どうすればいいのでしょうか?

A8.
夜遅くまでスマホやゲームをしていると、寝つきが悪くなり、朝の起床がつらくなることが多いです。
・ルールを一緒に決める:何時までにゲームやスマホをオフにするか、親子で納得できるルールを作りましょう。
・リラックスできる時間をつくる:寝る前は、照明を落とす・音楽を聞く・好きな本を読むなど、子どもがゆっくり心を落ち着かせられる工夫を。
・完璧を目指さない:一晩で改善は難しいので、「1週間で30分寝るのを早くする」など少しずつ習慣化していくと、長続きしやすくなります。
Q9. 失敗を恐れて何もやりたがらない子に成功体験を作るには?

Q9.
子どもが失敗を恐れて何もやりたがりません。そういう場合でも成功体験を作れますか?

A9.
失敗を恐れる子には、「完璧じゃなくても大丈夫」という安心感を与えることが大切です。
・ハードルを下げる:最初から高い目標を設定するのではなく、「10分勉強してみる」「部屋を少し片づけてみる」など、とても小さい挑戦にとどめましょう。
・親の反応を柔らかく:結果がうまくいかなくても、「やってみたことがすごいね」「ここまでできたんだね」と過程を肯定的に評価します。
・子どもの意見を尊重:無理に「これやって!」と押し付けるより、「どんなことならやれそう?」と、子ども自身の意思を聞き出すことが成功体験へつながるヒントになります。
まとめ
ここまでのQ&Aでは、不登校の原因がわからないまま悩んでいるときに、親がどのように子どもをサポートすればよいかを一問一答形式で紹介してきました。ポイントは、無理に登校を迫ったり、理由を問い詰めたり、他の子どもと比較したりしないことです。子どもの心に余裕がないときほど、焦らず「話しやすい環境づくり」や「生活リズムのサポート」「小さな成功体験の積み重ね」に取り組むのが効果的といえます。
また、親自身の不安や悩みを直接子どもにぶつけるのではなく、専門家や周囲に相談しながら適切な支援を受けることも大切です。不登校の解決に“これをすれば必ずうまくいく”という魔法の方法はありませんが、子どもが少しずつ「自分で動いてみよう」「話してみよう」と思えるよう、寄り添いながらサポートを続けましょう。焦らず段階的に取り組めば、子ども自身の心の安定や、自立への一歩が見えてくるはずです。
不登校の理由がわからない時はどこに相談するべき?
不登校に関するサポートを受けられる相談先は意外と多く存在します。ここでは、代表的な窓口や機関をいくつかご紹介します。
① 学校(担任・学年主任・校長など)
まずは、お子さんが通う学校へ相談するのが最初のステップです。担任の先生や学年主任、場合によっては校長先生に話を聞いてもらいましょう。
- 子どものクラスでの様子や、教師・同級生との関係性などを客観的に把握できる
- 別室登校や在宅学習など、学校側で提案できる支援策が見つかるかもしれない
「親が直接学校に行くのは気が引ける」という場合でも、電話やメールでの問い合わせなどから始めてみるとスムーズです。
② 学校のカウンセラー
多くの中学校には、専門のスクールカウンセラーが配置されています。
- 子どもの気持ちや心理面での悩みをカウンセリングによってサポート
- 親も一緒に相談でき、具体的な声かけの方法や課題の整理がしやすくなる
子ども自身がカウンセラーを拒否するケースもありますが、最初は親だけでも相談してみると、家庭での対応策が見つかる場合があります。

③ 学校支援センター・教育相談所
自治体によっては、市区町村や都道府県が運営する学校支援センターや教育相談所があり、そこで不登校に関する相談を受け付けています。
- 教育の専門家や経験豊富なスタッフが常駐している
- カウンセリングや学習支援、グループ活動など、多角的にサポートしてくれる
学校だけでは解決が難しい場合、こうした外部機関を活用することで、より柔軟な対応が期待できるでしょう。
④ 児童相談所
不登校の背景に、家庭内の問題や子どもの複雑な感情が絡んでいる場合は、児童相談所に相談するのも一つの方法です。
- 心理士やソーシャルワーカーが対応し、総合的に状況を判断してくれる
- 他の支援機関や医療機関と連携して、必要なサポートを紹介してもらえる
必ずしも深刻な家庭問題がなければ利用できないわけではありません。気軽に問い合わせてみてください。
⑤ メンタルヘルスの専門家(カウンセリングルーム・精神科医など)
「もしかしたら、うつや不安障害、発達面での特性があるかも…」といった心配がある場合は、カウンセリングルームや心療内科、精神科などを受診・相談してみましょう。
- 早期に専門家が介入することで、子どもが抱えている心の負担を軽減しやすい
- 正しい診断によって、必要な治療や配慮を受けられる可能性がある
「子どもが嫌がるかもしれない」と思っても、まずは親だけでも相談し、セカンドオピニオンを得てみることをおすすめします。

⑥ 家庭教師サービス
不登校で教室に通うのが難しいとき、家庭教師サービスを活用して学習面をサポートするのも有効な手段です。
- 在宅でマンツーマン指導を受けられるので、学習の遅れをカバーしやすい
- 子どもが慣れてきたら短時間のオンライン指導などへ切り替えることも可能
- 親子ともに顔を合わせて状況を確認しながら進められるため、勉強だけでなく子どものメンタル面にも配慮しやすい
一部の家庭教師センターでは、不登校の子どものサポートに実績のある講師を紹介している場合もあるので、事前に「不登校でも大丈夫か」を確認しておくと安心です。
▼アーチの不登校サポート

⑦ 自助グループや支援団体
全国各地には、不登校の保護者や当事者が情報交換をする自助グループや、NPOなどの支援団体があります。
- 同じ境遇の人同士が交流することで、孤立感や罪悪感が和らぐ
- 先輩の経験談から、意外なヒントや解決策を得られることも
SNSやインターネット検索、市町村の広報誌などで調べると、身近に思いのほか多くの団体が見つかるかもしれません。

まとめ
不登校の理由がわからないときでも、相談できる場所や専門家はたくさん存在します。学校や公的機関だけでなく、家庭教師サービスをはじめとする民間のサポートも含め、複数の選択肢を検討してみるのがおすすめです。
相談先を一つに限定せず、「この人(場所)はちょっと合わないかも」と感じたら別の窓口も試してみましょう。焦らず、親子それぞれが安心して話せる環境を探し続けることで、少しずつ原因を見つけたり、前に進む手がかりを得たりできるはずです。
理由がわからない不登校から学校復帰までの道のり
1. 心身の安定を最優先にする
- まずは生活リズムや睡眠、食事を整えることを意識してみましょう。
- 学校を休んでいる間は、「いつ起きてもいい」「食事も適当でいい」となりがちですが、極端に乱れると体力・気力の回復が遅れ、不安定さが増すこともあります。
- 朝起きられない場合は、少しずつ寝る時間や起きる時間を調整していくなど、段階的に心身のコンディションを整えていくのがおすすめです。

▼
2. 信頼関係を築き、気持ちの整理をサポートする
- 無理に原因を追及したり、話を強要したりしないで、子どもが「話したいときに話せる」雰囲気を作りましょう。
- 子どもが言葉にできない悩みを抱えている可能性があるので、日常の雑談やちょっとした会話を重ねるうちに、本人が少しずつ自分の思いを整理できるように手助けしてあげてください。
- カウンセラーや第三者に相談しながら、「言語化できない不安」を少しずつほどいていくアプローチも大切です。

▼
3. 不登校支援体制を整える
- 学校側と連携し、担任の先生やスクールカウンセラーにこまめに報告・相談する。
- 必要に応じて、学校支援センターや児童相談所、家庭教師サービスなど、外部のサポートも視野に入れましょう。
- 「家ではどんな様子か」「子どもはどんな声掛けを嫌がるのか」など、親と学校・専門家が情報共有すると、効果的なサポートを組み立てやすくなります。

▼
4. 小さな目標から始める
- いきなり毎日登校を目指す必要はありません。たとえば、
- 朝は同じ時間に起きてみる
- 学校に行けそうな日は1時間だけ登校してみる
- 保健室や別室登校を利用する
- まずはオンラインや在宅学習で授業内容を少し進める
これらの小さなステップを積み重ねることで、成功体験を得やすくなり、子どもの自己肯定感が少しずつ回復していきます。

▼
5. 徐々に学校生活を取り戻す
- 小さな成功を重ね、子どもが「もう少し頑張れるかも」と思えたら、段階的に登校時間や授業参加を増やしていきます。
- たとえば、最初は午前中だけなど無理のない範囲で様子を見ながら進めましょう。
- 部活や委員会活動などに興味があれば、一部だけ見学してみるなど、「できそうなこと」からチャレンジするのがポイントです。

▼
6. フォローアップと再調整を続ける
- 学校復帰が進んだからといって、油断は禁物です。定期的に子どもの様子を確認し、しんどそうなサインがあれば相談しましょう。
- 再び体調や気持ちが乱れてしまうときは、登校頻度や学習内容を一時的にセーブするなど、臨機応変に対応することが大切です。
- 「せっかくここまで来たんだから、もう休んじゃダメ」というプレッシャーをかけると逆戻りしてしまうこともあるため、柔軟なフォローアップを心がけてください。

▼
7. 将来の進路・学習面のサポート
- 不登校期間が長引いた場合、学力面での遅れが気になることもあります。家庭教師や学習塾、オンライン指導などを活用しながら、無理のない形で学習を進めていきましょう。
- フリースクールや通信制高校など、学校以外の選択肢も視野に入れることで、子どもの気持ちに合ったルートを選べる可能性が高まります。
- 大切なのは「目指す道は一つじゃない」という考え方。子どものペースや興味に合わせて進路を検討することで、長期的にモチベーションを維持しやすくなります。

まとめ:焦らず、子どものペースで学校復帰をサポートする
不登校の「理由がわからない」ときには、親も子どもも手探り状態になりがちです。しかし、焦って「早く学校へ行かないとダメ」「勉強が遅れる」と追い詰めてしまうと、かえって回復が遅れたり、再び不登校になってしまったりするリスクが高まります。
- 心身の安定を優先し、小さな成功体験を積む
- 学校や専門家、家庭教師サービスなど外部の力も借りる
- 子どもの思いやペースを尊重しながら、一歩ずつ前進
このように段階を踏むことで、子ども自身が「もう少し頑張ってみよう」と思えるきっかけを得やすくなるはずです。親御さんも一人で抱え込まず、周囲を巻き込みながらサポートを続けることで、少しずつ学校復帰の道筋が見えてくるでしょう。
▼関連記事
不登校の中学生の将来はどうなる?高校進学・進路選択の可能性と親の関わり方|2025年版
まとめ
いかがでしたでしょうか?
中学生が不登校になった場合、「理由がわからない」というケースは非常に多いです。
不登校になる理由や原因の種類はそこまで多くないですが、必ずしも理由や原因が1つではなく、複数の原因が複雑に絡み合っているケースが多いため、決めつけてしまうと逆効果になってしまう事も多いのです。
お子さんが不登校になった場合、自宅にいる時間が当然多くなり、学校に通っているお子さんに比べて、保護者の方と接する機会がとても多くなります。
先ほどもお伝えした通り、理由がわからない場合に「親がしてはいけないこと」「親がするべきこと」を参考にして頂き、少しでもお子さまの状況が良くなることを願っております。
私が運営している家庭教師のアーチでも多くの不登校中学生をお預かりしております。
通常の訪問形式はもちろん、オンラインによる家庭教師の対応も可能です。家庭教師ですので、指導曜日、指導時間、指導教科や学習レベルについてもご希望を頂ければ、その条件に沿った家庭教師を紹介する事が出来ます。
実際に家庭教師を紹介させて頂いているご家庭からも喜びの声を頂いておりますので、家庭教師による不登校支援にご興味のある保護者さまは気軽にご相談頂けますと幸いです。お子さまの進路選択のお力になれれば嬉しいです。
