不登校の中学生をもつ親が知るべきコト【男子・女子それぞれの特徴や傾向の解説つき】

こんにちは!「家庭教師のアーチ」代表の白岩です。

今回のブログは「不登校の中学生をもつ親が知るべきコト」について「男子・女子それぞれの不登校になる特徴や傾向」も含めてお話ししていこうと思います。

今回のテーマ 「不登校の中学生をもつ親が知るべきコト」

このページを見て頂いている保護者の方はタイトルにもあるように、不登校状態にある中学生のお子さまをお持ちの保護者の方がほとんどではないかと思います。
小学生時代から不登校のケース、中学生になってから不登校になったケース、中にはまだ不登校ではないけれど「このままだと不登校になってしまうのでは…」と色々なケースがあるかと思います。

不登校という状態は、お子さま本人はもちろん、保護者の方も大きな不安と日々戦っておられるのではないかと思います。

今回のブログでは、少しでも不登校についての不安が軽減するように、不登校に対する知識やお子さまとの接し方など、色々な角度から不登校についてのお話ができればと思っていますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

1.不登校とは何?

まずは「不登校」とは何か?その定義から考えてみましょう。
えっ?「不登校=学校に行かない事」じゃないの?と思われるかもしれませんが、実は「不登校」にも細かい定義があるんです。

文部科学省によると…
「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
と定義されています。

この定義から考えると「病気や経済的な理由」の場合は不登校には該当しませんし、年間の欠席日数が30日未満の場合も不登校には該当しません。

この定義を前提として、
・不登校児童の人数はどのくらいなのか?
・不登校になったきっかけにはどのような理由があるのか?

についてお話ししていきたいと思います。

2.中学生の不登校児童数の推移

文部科学省が調査した不登校児童数についてのデータによると、全国の小学校・中学校で2021年度に30日以上欠席した不登校の児童数は、前年度から4万8813人(24.9%)増の24万4940人で過去最多を記録したそうです。
不登校児童数は9年連続で増加していて、10年前と比較すると小学生の不登校児童数は3.6倍、中学生の不登校児童数は1.7倍も増加しています。

不登校児童数24万4940人の内訳は、小学生の不登校児童数が8万1498人(前年度比28.6%増)、中学生の不登校児童数は16万3442人(前年度比23.1%増)で、いずれも過去最高の増加率になっています。特に中学生は20人に1人が不登校という状態になっています。

不登校児童数が急増した理由としては、コロナ禍で通学の制限、休校、学級閉鎖、学校行事の中止などによって生活リズムが乱れ休むことへの抵抗感が薄れたり、活動制限により交友関係が築けなかったことによって不登校に繋がったことが考えられます。

実際に家庭教師のアーチでもコロナ禍になってから不登校に関してのお問い合わせの数が爆発的に上がっています。

3.中学生が不登校になるきっかけは?

近年のコロナ禍に関しては特殊な理由になりますが、それ以外で中学生が不登校になるきっかけは何なのでしょうか?

2021年に公表された文部科学省の不登校(中学生)に関する統計データによると、

・学校に関わる状況(25%)
・家庭に関わる状況(9.5%)
・本人に関わる状況(60.7%)
・該当理由なし(4.9)%

という結果になりました。

「学校に関わる状況(25%)」のうち多かった理由は「いじめを除く友人関係(11.5%)」「学業不振(6.2%)」「入学、転編入学、進級時の不適応(4.1%)」が目立ちます。ひと昔の不登校に関係の強そうな「いじめ(0.2%)」「教師との関係(0.9%)」はそこまで多くはありませんでした。

また「家庭に関わる状況(9.5%)」については「親子の関わり方(5.5%)」が半数以上を占め、「本人に関わる状況(60.7%)」では「無気力、不安(49.7%)」が8割以上を占める結果になりました。

ここで注目したいのは「無気力、不安(49.7%)」という部分です。

何かしらの問題を抱え込み、悩んでしまった結果「無気力」に繋がっているのだとしたら、不登校になるタイミングでは「理由すら分からない」という事が全体の半数を占めている事になります。

そうなる前に、周りの人間がちょっとした表情や雰囲気の変化に気づきサポートする事が重要です。

特に「友人関係」「成績悪化」「学年の切り替わり」「学校が変わるタイミング」には注意を払う必要があります。

4.男子と女子で特徴や傾向はある?

中学生が不登校になる原因として男子・女子それぞれに特徴や傾向はあるのでしょうか?

男子中学生が不登校になる原因は、以下のようなものが挙げられます。

男子中学生が不登校になる原因

①学校生活への不満やストレス

男子中学生は、学校生活への不満ストレスが原因で不登校になることがあります。

例えば、学校生活に慣れず、友達ができない勉強が苦手で成績が悪い体育の授業での競争からくるストレスなどが原因となることがあります。

②家庭環境の問題

男子中学生は、家庭内の問題が不登校の原因となることがあります。

例えば、親とのトラブルや不和家庭内の暴力や虐待親の離婚や転勤などが原因となり、不登校につながることがあります。

③心理的な問題

男子中学生には、女子中学生よりも行動障害や注意欠陥・多動性障害にかかる傾向があります。

また、中学生は思春期に入ることでホルモンバランスの変化が起こり、うつ病不安障害などの心理的な問題が発生することがあります。

④学習上の問題

男子中学生には、学業成績に対するプレッシャー学習意欲の低下が原因で不登校になることがあります。

特に、成績が上がらないことで自己評価が低下し、学校に行くことにストレスを感じることがあります。

⑤非行やネット依存などの問題

男子中学生には、非行ネット依存などの問題が原因で不登校になることがあります。

例えば、友人関係や家庭環境の問題から、不良グループに入ってしまい、非行や問題行動を起こすことがあります。

また、スマートフォンやゲームなどのネット環境に過剰に依存することで、学校に行く意欲が低下することがあります。

次に女子中学生が不登校になる原因は、以下のようなものが挙げられます。

女子中学生が不登校になる原因

①学校生活への不満やストレス

女子中学生は、男子中学生と同様に学校生活への不満ストレスが原因で不登校になることがあります。

特に、女子同士の人間関係が複雑であることがあり、友達関係クラス内での人間関係が不登校の原因となることがあります。

②家庭環境の問題

女子中学生は、男子中学生と同様に家庭内の問題が不登校の原因となることがあります。

家族とのコミュニケーションが上手くいかず、孤立してしまったり、家庭環境が不安定であったりすると、不登校につながることがあります。

③心理的な問題

女子中学生には、男子中学生よりもうつ病や不安障害にかかる傾向があります。

特に、思春期に入ることでホルモンバランスの変化が起こり、心理的な問題が発生することがあります。

④学習上の問題

女子中学生には、男子中学生と同様に学業成績に対するプレッシャー自己評価の低さが原因で不登校になることがあります。

特に、成績が上がらないことで自己評価が低下し、学校に行くことにストレスを感じることがあります。

⑤ネットいじめやSNS上の問題

女子中学生には、ネットいじめSNS上の問題が原因で不登校になることがあります。

SNSを通じて、いじめ誹謗中傷が行われることで、心理的なダメージを受けることがあります。

また、ネット上での課題や交流が増えることで、学校への出席意欲が低下することもあります。


このような内容から比較してみると、「②家庭環境の問題」「④学習上の問題」は男子中学生・女子中学生ともに共通する内容ですが、「①学校生活への不満やストレス」では、男子中学生に比べて女子中学生の方が人間関係が複雑であり、友達関係クラス内での人間関係が原因となるケースが多いようです。

また「③心理的な問題」については、男子中学生には、女子中学生よりも行動障害や注意欠陥・多動性障害にかかる傾向があり、女子中学生には、男子中学生よりもうつ病や不安障害にかかる傾向があります。

最後に「⑤ネット関連」については、男子中学生はスマートフォンやゲームなどへの「ネット依存」が特徴的で、女子中学生は「SNSでのいじめや誹謗中傷」が原因になることが多いようです。女子中学生特有の「人間関係の複雑さ」が影響していると考えられます。

5.親はどのように接するべきか?

子供が不登校になった時に親が取るべきアプローチは、子供の状況によって異なります
以下に、一般的なアプローチをいくつか紹介します。

①コミュニケーションをとる

子供と対話をすることが重要です。

子供がどのようなことで悩んでいるのかを聞き、その原因を理解することが必要です。

子供が話しやすい環境を整え、話を聞くことで、子供の不安やストレスを減らすことができます。

②専門家による不登校支援を受ける

専門家に相談することも重要です。

カウンセリング心理療法教育相談など、子供の状況に合わせて専門家の不登校支援を受けることができます。

また、学校や地域の不登校についての相談窓口を利用することも有効です。

③学校と連携する

子供が不登校になる原因となった学校とは、積極的にコミュニケーションをとり、解決策を模索することが大切です。

学校が提供する不登校支援プログラム補習授業などを活用することもできます。

④子供の強みに着目する

子供には必ず何かしらの強みがあります。

その強みに着目して、子供が楽しんで取り組めることを見つけ、その活動を支援することも大切です。

子供の自信を取り戻すことが、不登校からの回復につながることもあります。

⑤家庭内の環境を整える

子供が過ごす家庭環境にも注意を払うことが大切です。

子供が落ち着いて過ごせる環境を整え、安心感を与えることが必要です。

また、家族全員で協力し、子供を支援することも大切です。


不登校の原因は人それぞれ異なります。そのため、親が子供と対話し、子供の状況に合わせてアプローチを調整することが大切です。

また、専門家の不登校支援を受けることで、不登校からの回復につながることもあります。

6.状況に合わせた支援を受けることが大切!

不登校のお子さまを支援する方法はいくつかあります。
ただ、お子さまの状況に合わせた不登校支援を選択していかないと逆効果になる可能性もあります。

状況を把握するためには「家族のサポート」が大切です。
お子さまの気持ちを聞き、理解し、お子さまと一緒に解決策を考えることが必要です。
また、お子さまが家族と過ごす時間を増やすことで、安心感や信頼感を高めることができます。

以下に状況に合わせた不登校の支援策の例をまとめましたので参考にしてみてください。

①学習支援(不登校の原因が学習への不安の場合)

不登校の中学生には、学習に対する不安や苦手意識がある場合があります。
その場合は、学習支援を行うことが大切です。

家庭教師や塾、学校のカウンセラー、相談窓口などがあります。
中学校の教科書や授業内容を把握し、基礎的なことから学習を進めることで、自信をつけることができます。

②カウンセリング(不登校の原因が分からず漠然と不安な状況の場合)

中学生の不登校の原因はさまざまです。
カウンセリングにより不登校の原因を探り、問題解決の手段を提供することが有効です。
カウンセリングを受けることで、子供が抱えるストレスや心理的な問題について話すことができます。

③健康管理(不登校の原因が体調不良の場合)

中学生の不登校の原因には、体調不良がある場合があります。

健康管理を行い、睡眠や食事、運動などを適切に行うことで、体調面の問題を解決することができます。
専門的な知識が必要になるケースも多いため、医師による診断や治療を受けることで、早期に体調を回復することができます。

正式に「病気」と診断されれば、不登校に含まれない場合もあります。

以上のようなアプローチを組み合わせ、状況に応じた不登校支援を行うことで、不登校の中学生をサポートすることができます。


いかがでしたでしょうか?
不登校はお子さまはもちろん、保護者の方々も大きな不安を抱えながら日々過ごされているかと思います。
「このままで進学できるのか?」「将来は大丈夫なのだろうか・・・」など、色々と心配は尽きないですよね。。。

家庭教師のアーチでは、不登校のお子さまを数多くお預かりしております。
学習支援だけではなく、親には話せない悩みや相談などを聞いてあげることで、お子さんのストレスや不安を軽減することも出来るかと思います。

不登校のお子さまをお持ちの保護者の方で「家庭教師」という形式の支援に興味をお持ちの方は気軽にご相談ください。